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  • 2017/07/07(金)
  • 農業を志す方々へ―エコファーム・ミス 三須 裕司さん―

~「おいしい!」を何よりも大切に~

 

 千葉市内から車で約1時間。落花生で有名な八街市においしい有機野菜と卵づくりに取り組む農場があります。
農業一筋30年以上!両親も祖父母も農家。生まれた時から"農業"がすぐそばにあった代表の三須さん。
こだわりの作り手である三須さんより、有機野菜栽培、採卵養鶏をはじめとする"エコファーム"について詳しくお話しをお伺いしました!
 

 


******【三須裕司さんプロフィール】*****
生まれも育ちも千葉県八街市。農家の長男として生まれる。
農業高校卒業後、なんとな~く農家を継ぐ。
30代の頃代表となり、有機農業歴30年以上。
先代は落花生と麦の栽培を主体としていたが、
有機農業への転換、栽培品目数の拡大に着手。
★有機JAS認証取得
★ハウス野菜栽培&露地野菜栽培&採卵養鶏

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◇◆「エコファーム・ミス」で譲れないこと、こだわりを教えてください!

 "美味しい"を一番大切にしています。その次は"安心・安全で人の体に良い"ことです。
これらは、別々のように見えて実は繋がっていると思います。
人の体に良い食べ物は自然にも優しく、美味しく感じるのではないでしょうか?
そこで、私たちは化学肥料や農薬を使わない"有機農業"や飼育している鶏たちの糞を使った"循環型農業"など
自然環境に優しい栽培方法を選択しています。
土にも作物にも優しい有機肥料を施すことにより、硝酸態チッソが少なくえぐみの少ないおいしい野菜が育ちます。
また、育てる品種は多少作りづらいものでも"美味しさ"を最優先にしています。

 

 

▲pick up▲ エコファーム・ミスの『ミニトマト』

普段何気なく口にしているミニトマト。
一口で丸ごと食べてしまうと気づかないかもしれませんが、
植物成長調整剤などの薬剤をまいて受粉すると、
ミニトマトの種がしっかりと成長しないことがあります。
私たちのミニトマトは蜂たちによる自然に近い手法で受粉するため
実を割ってみると種がよく見えます。

 

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◇◆有機農業に取り組んだきっかけは?

有機農業は私の代になってからスタートし、気が付けば30年以上のキャリアになりました。
食べて喜んでもらえる野菜を作りたい!その気持ちひとつで取り組んでいます。
化学肥料や農薬を使った野菜よりも安心できる有機肥料を施した野菜の方が嬉しいはず。そんなシンプルな考え方です。
私たちの"有機農業"への取り組みは有機JAS認証という仕組みよりもずっとずっと長いです。
内容によっては私たちの管理の方が有機JAS認証よりも厳しいこともあるぐらいです。

 

 

pick up▲ エコファーム・ミスの"循環型農業"と『こだわりたまご

1,000~1,500羽の鶏たちを飼育し、卵を販売しています。
もちろん抗生物質無添加。
鶏たちの健康とおいしい卵づくりのため、炭と酢と
アシタキサンチン(高い抗酸化力を持ちます)と
海藻(ミネラル分)を与えています。
結果、黄身の色が良くなり、臭みが少なく健康に良い卵ができました。
これまで「アトピーの子に食べさせても大丈夫だった!」
という声もあったぐらいです。
鶏たちの糞は発酵させて畑の堆肥に活用します。

 

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◇◆有機農業ならではの大変さはありますか?

天候による病気や害虫のリスクが大きいことは大変な面です。
当たり前かもしれませんが、有機農業の場合、農薬を使いません。
できる限り事前に防除をし、対策をとるのですが、とびっきりの条件の悪い天候により病気や虫が大量発生した場合は対処法がなく、ただただ悪くなっていく野菜を眺めることしかできないこともあります。
もう一つ大変なことは、有機農業は"量"を追求できないことでしょうか。
有機質肥料を使って野菜を育てると、生育も穏やかでゆっくりになりますし、最終的な収穫量も慣行の6~7割になってしまいます。

 

 

pick up▲ エコファーム・ミスの『氷温冷蔵じゃがいも

毎年好評のじゃがいも!その秘密は、「氷温貯蔵」です。
収穫後、約0度の凍ってしまう一歩手前の状態で保存すると、
じゃがいもに含まれるでんぷんが糖にかわり、
とびっきりのおいしさに変身します! 

 

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◇◆農業をやっていて、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

「三須さんちの野菜はいつ何を食べても美味しいね!」そんな声が何よりも嬉しく、日々の活力になっています。
そんな声が聞けたときには、こだわって農業をやっていてよかったなと感じます。

 

 

◇◆これから農業をやりたい!という方へメッセージをお願いします!

農業の中でも有機農業をやりたいのであれば、地道な作業の連続であることは事前に知っておくべきだと思います。
農薬や除草剤をまかないということは、草が生えてきたら草を引かないといけないということ。虫が発生したら、虫を取り除かなくてはならないということ。
もちろん、ビニールマルチなどの資材や自然由来の原料を使ってできる限りの防除はしますが、自然相手ですので全てを防ぐことは困難です。
当たり前のことかもしれませんが、実際に目の当たりにすると挫折する方もたくさんいらっしゃいます。
しかし、辛抱強くコツコツと志を持って取り組むことができれば、必ず美味しい野菜に出会えます。
私ももう70歳になったので、そろそろ引退したいです(笑)。ですがその前に、長年培った技術を次の世代に伝えていきたいと考えています。

 

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取材を終えて...

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初めてお会いした時は「ちょっと怖い人なのかしら。」と感じましたが(ごめんなさい!)、インタビュー中は笑顔いっぱいに丁寧にたくさんのことをお話しして下さいました。
ハウスでいただいたトマトは本当に美味しかったです!お忙しいところお時間をいただきましてありがとうございました!

 

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