- 2025/03/13(木)
- 農業を志す方々へ ー牧野 涼子さん
農業とともにある暮らし方が心地良いんです
こだまの丘農園まきの 牧野 涼子(まきの りょうこ)さん
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埼玉県本庄市にて2011年に夫婦で独立就農をされた牧野さん。
複数の畑で年間40種類ほどの野菜や米を栽培していらっしゃいます。
埼玉県にて農業界で活躍する女性にお話を伺うシリーズ 第一弾!
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Q.独立就農をされたきっかけや経緯について教えてください
私は非農家出身なんですが、小さいころから動物が大好きで、高校生のときに牧場に実習に行ったり、畜産の大学に進学したり、大学卒業後は酪農の法人で働いたり、酪農ヘルパーとして働いたりと、ずっと酪農一筋の道を歩んできました。
一方、主人は以前、国の農業研究機関で農業機械に関する研究員として働いていて、実は、私がそこに大学の卒論を書きに行ったときに出会いました(笑)。
結婚をしてもしばらくは酪農の仕事を続けていたんですが、30歳頃に自身の出産を機に一度仕事を離れることにしたんです。
でもやっぱり酪農の仕事をやりたいという気持ちが頭から離れず・・そして、主人も農業マニアなので(笑)、農業を自分でやりたいという思いが日に日に強くなっていったようで、二人でよく話し合った結果、独立就農の道を模索することにしました。
初めは私が大好きな酪農での独立を考えたのですが、夫婦2人で子育てをしながら酪農の仕事をすることは時間的に難しいこと、そして、酪農は初期費用面でのハードルがとても高いことから止む無く酪農は断念することに。そんなときに、さいたま市の農家さんが中心となって開催する栽培指導付きの体験農園に参加して、野菜づくりの楽しさを知りました。
「野菜農家になるのもいいね」と野菜農家に方針変更をしたんです。2009年のことです。
それから2年間の準備期間を経て、2011年にこの地で就農をスタートしました。
就農地である本庄市児玉地区は、私が酪農ヘルパーをやっていたときに担当していた地域で、土地や人が好きで、以前から独立するならここがいいな~と思っていた場所です。
本庄農林振興センターに相談をしたところ、この地域で野菜づくりをされていらっしゃる農家さんのもとで研修をさせていただけることになり、その農家さんが独立の際の農地も面倒を見てくださったんです。
師匠でもあるその農家さんには今でも多々お世話になっており、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
また、私が酪農ヘルパー時代にお世話になっていた酪農家さんも、余っている土地を貸してくださり、地域の方には本当に良くしていただいています。
農業は地域の人たちとの繋がりが密接にある産業です。初めは地域の方に受け入れていただけるか心配をしていましたが、本当に親切な方ばかりで、皆さんがあって私たちも続けられているなと実感しています。
Q.牧野さんにとって、“人”があってこその農業なのですね。
“農業”にフォーカスを当てたときに感じる、楽しさややりがいはありますか?
もちろんです!
私の最初の農業との出会いは、高校生のときに行った福島県の葉たばこ農家さんでの2週間の住み込み体験です。そこで体験した、生活の近くに仕事があるという環境に衝撃を受けたのが、今に繋がっているのかもしれません。
その後も酪農家さんのお手伝いの際に、そうした農家さんの暮らしを目の当たりにしてきて、私もこんな暮らしがしたい、とずっと思ってきました。
生活のすぐそばに畑や牛舎があり、農業が日常の生活の一部になっているような暮らし方が私には本当に性に合っていて、心地が良いんです。例えるならば、歯を磨くのと同じ感覚で農業をしています。食事中に雨が降ってきたら、食事を中断して畑に行くこともあります。大変に思われるかもしれませんが、私にとっては当たり前のことですし、実は、自分の裁量次第・時間の使い方次第なので、意外と自分の時間は自由に作れちゃうんですよ。
子育ても、農業が生活とともにあるからこそ、しやすかったんじゃないかなと思います。
作業を止めて、子供を迎えに行くこともできるので、近くのお子さんのお迎えも一緒に頼まれることもしばしばありました(笑)。
もし外に勤めに出ていたら、子どもとの時間は減ったんじゃないかなと思います。
その他、毎年繰り返しやってきた経験がしっかり自分の身になっているな、と感じる瞬間はやりがいを感じます。2011年から就農して、ここまでけっして思い通りにきたわけではありません。就農してすぐに震災があったり、大雪でダメになってしまったり、と自然災害の脅威にも何度も触れてきました。ここ数年は気候が今までどおりではなく、野菜の病気が流行ってしまうという困難にもぶつかりました。そんな中でも、これまでの経験を活かしたり、勉強したりして工夫・試行錯誤を繰り返して、良いものが生産できたときは本当に嬉しいですし、自分の成長が感じられて、やりがいがあります。
もちろん、お客様からの「美味しい」という声をいただけたときもやりがいを感じます。
Q.女性目線で見たときに、農業についてどう感じていらっしゃいますか?
農業はまだまだ男性のイメージが強いかもしれませんが、仕事内容によっては女性の方が向いているという作業もあると思います。力仕事については工夫すれば乗り越えられますし、実際に女性一人でも活躍されている方が沢山いらっしゃいます。けっして女性だから農業はできないなんてことはないと思っています。
「女性農業者の活躍」に関連してお話すると、私は地域の女性農業者の団体『本庄農業女子』を9年前に立ち上げました。『農業女子』というワードが全国的に広まっていた頃、本庄市でも女性農業者向けの勉強会が開かれました。それまでの集まりは男性主体のものばかりで、女性農業者同士が集まることはなく、少し寂しい気持ちもありました。
知らない土地で農業をしていて、少し孤独に感じることがあったんですね。
そこで、勉強会で知り合った女性達と一緒に『本庄農業女子』を立ち上げたんです。横の繋がりができたことは、私自身のモチベーションに大きく影響しています。もしこの繋がりが無かったら、今はもう農業をやっていないかも…と思うほどに、大切な存在です。
『本庄農業女子』では定期的にマルシェに出展しています。販売目的というよりは、お客様との交流が主な目的で、農業をより身近に感じていただきたいと思って活動しています。
おススメの調理方法や、野菜の成長のストーリーをお話することもあって、リピーターの方にも「『本庄農業女子』のために来たよ!」と言ってもらうこともあり、嬉しい限りです。
Q.最後に、これから農業を始めていきたいと思っている方へのメッセージをお願いします
私は独立就農して10年くらいは「頑張らなきゃいけない」という思いが常にあって、少し無理をしてしまいました。「ここまでは絶対に終わらせなきゃ」という思いから、体を酷使して、逆に作業ができなくなってしまったような経験があります。
だから、これから農業を始める方には「無理はしすぎない」よう気を付けていただきたいです。
最後に、私が思う、農業の良いところベスト3を発表します!
・プライベートとの両立は自分の裁量次第
・季節を感じながら働くことができる
・おいしい野菜が毎日食べ放題!特に鍋なんかは沢山野菜を入れると、うまみたっぷりで美味しくなります♪
ぜひ、あなたらしく農業をしていただければと思います!
◎埼玉県で私も就農したい!
そんなあなたへ
埼玉県では就農支援もありますので、まずは相談から始めませんか?